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鈍行ママチャリ、ぜんぶ白馬
FICTIONby 二 幕間(Shitanaga Makuai)

鈍行ママチャリ、ぜんぶ白馬

推しが泣いている。今まで一度だって、真実の涙を見せなかった彼女が、好きなキャラが非業の死を遂げる回のアニメを泣くために観るわたしみたいに、泣いている。

寝ぼけてどうこく
FICTIONby ジョウタ・クヴィートカ(Жовта квітка)

寝ぼけてどうこく

宿南口の人混みをかき分けて甲州街道を渡ると、新宿じゃ貴重な広い空の下に、バスタ前のこれもこの街で随一のゆとりある歩道へたどり着いた。

汚れなき悪戯 その一
FICTIONby ジョウタ・クヴィートカ(Жовта квітка)

汚れなき悪戯 その一

(やっぱバックれようかな) 俊介は六本木通りを溜池あたりまで車を走らせたところでなんとなく浮遊感に似たおぼつかなさを感じてつぶやいた。

汚れなき悪戯 その二
FICTIONby ジョウタ・クヴィートカ(Жовта квітка)

汚れなき悪戯 その二

大きな黒目がちの瞳にまばたけば音のしそうな長いまつ毛、ほそく微かに上向きにとがった小さな鼻、短い人中線に連なった唇は口角を上げて、文字通り薄紅のつぼみのような無私の笑みを浮かべていた。

汚れなき悪戯 その三
FICTIONby ジョウタ・クヴィートカ(Жовта квітка)

汚れなき悪戯 その三

富久町の交差点が赤になる。 かちっ、かち、かちかち、サイドブレーキをゆっくりと引きながらラチェットが廻る音に共振して、 理性に装填された人倫プロトコルが立ち上がってゆき、 俊介の頭の中にリアルが組み立てられてゆく。

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